2024年06月
愛犬が時々下痢をしてしまうことはありませんか?
そのようなとき、食事は与えていいのか?何が原因なのか?などの様々な疑問が浮かんでくると思います。
今回は犬の下痢の原因や、食事の与え方などを解説したいと思います。
犬の下痢の原因は多岐に渡りますが、代表的なものをご紹介します。
食べすぎやストレス、胃腸性の風邪、フードの急な変更、誤食、寄生虫など。
下痢と同時に嘔吐や、腹痛による震え、背中を丸めてうずくまる仕草が見られることがあります。
膵炎、炎症性腸疾患、腸リンパ管拡張症、食物アレルギーなど。
長引く下痢による脱水や削痩が見られることがあります。
犬の下痢には原因がたくさんあり、重大な病気が隠れていることもあるため、下痢の程度や他の症状を総合的に判断し必要な検査を行うことで診断します。まず対症療法で先行治療し、経過をみることもあります。
基本的な問診や身体検査、糞便検査以外にも、血液検査やウイルス検査、レントゲン検査(場合によってはバリウム造影)、エコー検査、内視鏡、アレルギー検査などが行われます。また受診の際は便を持参されると、便の色調や性状がより伝わりやすく、また検査にも活用できます。
また精密検査をする前に試験的なフードの変更をすることもあります。
下痢の原因により治療法は様々です。
軽度の急性下痢であれば下痢止めや整腸剤で対応し、寄生虫がいる場合は駆虫を行います。
嘔吐や食欲不振、腹痛などを併発している場合もあるので、制吐剤や補液などその症状にあわせた対症療法も実施します。
膵炎など根本疾患がある場合はその治療を行い、食物アレルギーなど食べているフードが体質に合っていない場合はフードの変更を行います。
また、下痢をしているときは半日〜1日程度絶食し、胃腸を休ませましょう。
その後は、普段の食事量の半分程度に減らしたご飯をふやかして柔らかくし、様子を見ながら少しずつ与えるようにします。また、下痢をしている間は病院処方の消化に優しいフードを与えることも有効です。
ジャーキーやクッキーなど高脂質のものは与えないように注意してください。軟便だからおなかに優しいからといって急にヨーグルトを与えてしまうと、かえって乳脂肪などで悪化させてしまうことがあるので注意してください。
愛犬が下痢をした場合は、生活環境や食べ物に変化がなかったか、誤食などなかったか確認しましょう。思い当たる節があれば、受診時に獣医師に伝えると診断の助けになります。
下痢が長期化しているときや頻繁におなかを壊す子は、フードが合っていないことも多いため、獣医師にフードの相談をしてみると良いでしょう。
またフードを変更するときは、いきなり全量を変更するのではなく、既存のフードに新規のフードを少しずつ混ぜて、徐々に変更していくようにしましょう。
犬の下痢はとても診察機会の多い疾患ですが、重大な病気やアレルギーなど根本的な解決が必要なケースも多々あります。
ただの下痢と思わずに、愛犬の便に異常がある場合は動物病院を受診しましょう。
神奈川県相模原市を中心に大切なご家族の診療を行う
かやま動物病院