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夏の暑さの注意点と対策|夏本番前に知っておきたいポイント

2024年07月

犬の暑さ対策

最近は地球温暖化の影響で、暑くなる時期が昔よりも早まってきており、朝は涼しくても、日中には猛暑になることもあります。気温が高くなり、日差しが強くなる季節になると、「日射病」や「熱射病」で来院される方が増えてきます。

特に日中はお留守番をする動物たちも多いため、油断していると愛犬や愛猫の命を危険にさらしてしまうことになります。そんな最悪の事態を避けるためにも、早めに暑さ対策をして夏本番に備えましょう。

今回は犬と猫の熱中症対策について解説します。

発生の要因

犬は暑さに極めて弱い動物です。人間のように汗をかいて体温調節(水冷式)ができないため、呼吸により体温調節(空冷式)を行います。しかし夏の炎天下では空冷式では追いつかず、体温がどんどん上昇してしまいます。

特に短頭種(ボクサー、ボストン・テリア、フレンチ・ブルドッグ、パグ、ペキニーズ、シー・ズー、ブルドッグなど)は上部気道が短いため、呼吸による熱の放散効率が悪く、熱中症にかかりやすいです。たとえ気温がそれほど高くなくても、発病する危険性があるので注意が必要です。

また、心臓や腎臓の病気、肥満も熱の放散を悪くする要因となります。

熱中症の症状

犬や猫が熱中症になると、初期症状として次のような症状を示します。

  • 体が熱くなる(直腸温で41℃~42℃)
  • ぐったりしてハアハアと激しい呼吸をする
  • 大量のよだれを流す

これらがさらに悪化すると、下痢や嘔吐、鼻出血、意識がなくなる、瞳孔散大、けいれんや発作を起こすなど、命にかかわる重篤な症状が現れます。そして、最悪の場合、意識を失い死に至ることもあります。

体温を下げることが大切ですが、体温が下がっても合併症を引き起こすことがあるので油断せず、しっかりと動物の様子を確認しましょう。

 

また、熱中症はすぐに悪化しますので、「何か変だな」と思った時点で躊躇せずに速やかに病院に連れていくことが大切です。

できるだけ早い処置が重要ですので、すぐに来院できない場合や移動中でも、動物病院に連絡して指示を仰いでください。

具体的な応急処置としては、風通しの良い場所に移すか、扇風機などで換気を行い、口の中のよだれを拭き取ります。

そして、犬を冷たい水に浸すか、体全体に水をかける、または冷たい水で濡らしたタオルを掛けるなどして体を冷やし、体温をできるだけ速やかに下げるように努めてください。

ただし、急激に氷水に浸すような極端な冷やし方は避けてください。飼い主様ができる応急処置はここまでですので、速やかに病院へ連れてきてください。

暑さ対策

熱中症は、飼い主様が少し気をつけてあげることで、愛犬や愛猫を死に至らしめることなく避けられる病気のひとつです。

そこで、熱中症予防として、おうちでできる熱中症対策をいくつかご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

エアコンや扇風機

エアコンがない部屋では、窓を開けて扇風機で風を循環させましょう。窓を開ける際には、猫の脱走対策もしっかり行いましょう。

動物用の冷感グッズ

冷却ジェルなどを誤食しないように気を付けましょう。

水飲み場を複数準備

室内のいろいろな場所に水飲み場を用意しましょう。

(遮光の)カーテン

直射日光で室温が上昇しないよう、カーテンもうまく利用しましょう。

夏のお散歩について

犬のお散歩は、早朝や夕方など暑さが和らぐ時間帯に行くのがよいでしょう。その際には飲み水を持参し、動物用の冷感グッズを使うのもお勧めです。

お散歩中の「やけど」にも注意が必要です。熱を吸収したアスファルトはとても熱く、そこを歩くと肉球がやけどしてしまうことがあります。

お散歩に行くときはアスファルトを避け、嫌がらなければ靴を利用するのも一つの方法です。

そして、あまりにも暑い日には「外に行かない」という選択も必要です。

そのために、室内で排泄できるようトイレトレーニングを行っておきましょう。また、運動不足が気になる場合は、知育おもちゃ(おやつやごはんを入れて遊べるおもちゃ)を使って遊ぶ時間を作り、退屈させないようにしましょう。

間違っても犬や猫を車に置き去りにしないで下さい。たとえ車を日陰に止めて窓を少し開けておいたとしても危険です。

まとめ

暖かい季節は人も活動的になり、楽しいイベントが盛りだくさんです。しかし、この楽しい季節は動物にとって命にかかわる季節でもあります。

夏前に一度暑さについて考え、対策をしっかり行い、愛犬や愛猫と一緒に夏を楽しみましょう。

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