2025年2月
愛犬や愛猫が迷子になってしまったらどうしよう…そんな不安を感じる飼い主様も多いのではないでしょうか。
マイクロチップは、こうした不測の事態に備えるための心強いツールです。この小さな電子器具が、登録された情報をもとに、迷子になった愛犬や愛猫が無事に飼い主様のもとへ戻る手助けになってくれます。さらに、災害時やトラブル時にも飼い主様の情報が確認できるため、愛犬・愛猫の安全を守る重要な役割を果たします。
今回は、マイクロチップの仕組みやメリット・注意点、装着方法について詳しく解説します。
マイクロチップは、動物を個体識別するために使用される小型の電子器具です。専用のリーダーで読み取ると15桁の番号が表示され、その番号と飼い主様の情報(氏名や連絡先)を紐づける仕組みになっています。この番号を使って、迷子になった犬や猫の飼い主情報を素早く確認することができます。
日本では2022年6月1日から、動物愛護管理法に基づき犬や猫へのマイクロチップ装着が義務化されました。この義務化により、迷子や遺棄などのトラブルの減少が期待されています。
マイクロチップは、飼い主様の安心をサポートするだけでなく、犬や猫を取り巻く社会全体の安全性を向上させる役割を担っています。
万が一、愛犬や愛猫が迷子になっても、保護された際にマイクロチップを読み取ることで飼い主様の情報を確認できます。それにより、迅速に家族のもとへ戻れる可能性が高まります。さらに、対応している自治体によっては、マイクロチップ個体識別番号が狂犬病ワクチン接種済を示す鑑札の代わりとして利用できる場合もあり、災害時の対応にも役立ちます。
飼い主を明確に特定できることで、動物の遺棄や虐待を防ぐ抑止力になります。また、飼い主としての責任を明確にすることで、不適切な飼育を減らす一助となりえます。
動物の出身や販売経路を明確化することで、不適切な繁殖や販売を減らす手助けとなると期待されています。これにより、健全な流通が促進され、犬や猫の福祉向上に繋がります。
マイクロチップには多くのメリットがありますが、いくつか注意すべき点も存在します。
マイクロチップの購入費用や挿入費用、登録費用が発生します。
電子機器であるため、体内で故障したり読み取りができなくなったりする場合があります。
飼い主情報が紐づけられることで、セキュリティ面で不安を感じる方もいます。
診断の支障になることは稀ですが、MRI撮影時にマイクロチップ近辺の画像が歪むことがあります。金属製のマイクロチップがMRIの磁力の影響を受けることによるもので、撮影箇所がマイクロチップの挿入部位と離れていれば問題ありませんが、近い場合は支障が出ることがあります。
マイクロチップは、肩甲骨と肩甲骨の間の皮下に専用の挿入器具を使って埋め込みます。麻酔や鎮静剤は基本的に不要で、数分で終了します。
マイクロチップ自体には、飼い主様の住所や連絡先、動物種などの情報は記録されていません。そのため、挿入後に環境省の指定サイトから飼い主情報を登録する必要があります。詳しくは、以下のリンクもご参考ください。
マイクロチップは、肩甲骨と肩甲骨の間の皮下に専用の挿入器具を使って埋め込みます。麻酔や鎮静剤は基本的に不要で、数分で終了します。
マイクロチップ自体には、飼い主様の住所や連絡先、動物種などの情報は記録されていません。そのため、挿入後に環境省の指定サイトから飼い主情報を登録する必要があります。詳しくは、以下のリンクもご参考ください。
マイクロチップの読み取り専用リーダーは、全国の動物病院や動物愛護センター、保健所などに配布されます。挿入部付近(背中の上部)にリーダーをかざして番号を読み取り、国の登録データベースで情報を照会する仕組みです。
飼い主の変更や、飼い主様の住所や連絡先(住所など)の変更があった場合は、登録内容の変更手続きが必要です。また愛犬や愛猫が亡くなってしまったときは死亡届を出さなければなりません。いずれも環境省のホームページから行うことができます。
チップの挿入器具は太いので痛そうに見えますが、鳴いたり痛がったりすることは少なく、出血することも稀です。ただし、針を刺すため軽い痛みを感じることはあります。
埋め込み後のアレルギー反応や炎症の報告はほとんどなく、安全性が高いとされています。
挿入にかかる費用は動物病院によって異なります。
登録費用はオンライン手続きで400円、紙手続きで1400〜1600円です。
身体へのトラブルは、まず挿入を行った動物病院に相談しましょう。登録など事務手続き関連のトラブルは、各自治体や環境省にお問い合わせください。
2022年6月1日から、動物愛護管理法に基づき、犬や猫へのマイクロチップ装着が義務化されました。そのため、ペットショップやブリーダー、愛護団体から迎え入れた場合は、基本的にすでに挿入されていることがほとんどです。
ただし、保護猫やご近所の方から譲り受けた場合などは、まだ挿入されていないこともあります。マイクロチップは無麻酔で挿入できるため、必要に応じて装着を検討するとよいでしょう。痛みが心配な場合は、去勢・避妊手術の際に麻酔下で挿入するのも一つの方法です。
マイクロチップは小さな電子機器ですが、迷子や災害時に大きな力を発揮します。挿入に伴う身体的な負担はほとんどなく、安全性の高い器具として多くの飼い主様に利用されています。
迷子防止や災害時の備えとして、また、愛犬や愛猫を守る手段として早めの装着をおすすめします。ぜひお気軽にご相談ください。
神奈川県相模原市を中心に大切なご家族の診療を行う
かやま動物病院