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愛犬・愛猫の関節炎|見逃しやすい症状と治療のポイント

2025年4月

犬のスケーリング

関節炎は、特にシニア期に入った犬や猫によく見られる病気のひとつです。

飼い主様の中には「最近、階段を嫌がるようになった」「散歩の途中で立ち止まることが増えた」「ジャンプをしなくなった」など、ちょっとした変化に気づいている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、こうしたサインが関節炎によるものだとすぐに判断するのは難しく、そのまま見過ごされてしまうことも少なくありません。

特に猫は、普段から動きが控えめなうえ、本能的に痛みを隠す傾向があるため、関節の異常に気づきにくく、症状がかなり進行してから発見されるケースも珍しくありません。
一方、犬は毎日の散歩を通じて歩き方や動作の変化に気づきやすいため、比較的早い段階で異常を発見できることが多いでしょう。

今回は、関節炎の基本的な知識に加え、犬と猫それぞれの特徴的な症状や治療の選択肢について解説します。

関節炎とは?

関節炎とは、関節の軟骨がすり減ることで炎症が起こり、痛みや動きの制限が生じる病気です。
関節内の軟骨はクッションのような役割を持ち、衝撃を吸収しながらスムーズな動きを助けています。しかし、加齢や過度な負荷、遺伝的な要因などによって軟骨が摩耗すると、関節内に炎症が発生し、痛みやこわばりが現れるようになります。

さらに炎症が進行すると、関節を包む「滑膜(かつまく)」が腫れ、関節液の分泌が異常になることがあります。これによって炎症がさらに悪化し、痛みが増すという悪循環に陥ってしまいます。

炎症が続くことで、関節や骨の中で変形が起こり、不可逆的な変化(元に戻せない変化)が生じることがあります。こうした変化が進むと、痛みがさらに強くなることもあります。

関節炎は特にシニア期に多く見られますが、若い犬や猫でも発症することがあります。例えば、関節の形成異常やケガなどが原因となり、若齢のうちから関節に負担がかかることがあるため、どの年齢でも注意が必要です。

また、この病気が厄介なのは進行性であるという点です。気づかずに放置してしまうと痛みが悪化して運動量が減り、筋力の低下や体重の増加を招くことがあります。その結果、さらに関節への負担が増え、症状が進行してしまうのです。

しかし、早い段階で適切な治療やケアを行えば、関節の機能を維持し、愛犬・愛猫が快適に過ごせるようになります。普段の動きの変化を見逃さず、早めに対策をとることが大切です。

犬と猫で異なる症状の特徴

犬の場合

犬の関節炎は、普段の散歩や動作の変化を通じて比較的気づきやすいのが特徴です。もし、以下のような行動の変化が見られた場合、関節に痛みを感じている可能性があります。

散歩時の変化

以前よりも歩くペースが遅くなったり、途中で立ち止まる回数が増えたりする場合は、関節の痛みが影響しているかもしれません。また、散歩に行くこと自体を嫌がることもあります。

立ち上がるときの様子

寝起きに足がこわばっていたり、立ち上がるのに時間がかかったりする場合は、関節炎のサインかもしれません。特に、長時間寝ていた後にぎこちない動きをする場合は注意が必要です。

階段の上り下りを嫌がる

関節に痛みがあると、階段の上り下りを避けるようになります。特に、下りの動作は関節への負担が大きいため、嫌がることが多いでしょう。

その他の行動の変化

関節炎の犬は、以前より走らなくなったり、お座りの姿勢を長く保てなくなったりすることがあります。また、足を頻繁になめる、触られるのを嫌がる、といった仕草も見られることがあります。

猫の場合

猫の関節炎はとても気づきにくく、飼い主様が知らないうちに進行してしまうことが多い病気です。
猫は本能的に痛みを隠すため、症状が現れても日常の動作がわずかに変化する程度のことがほとんどのため、いつもと違う様子がないか注意深く観察することが大切です。

このような変化が見られた場合は、関節炎が進行しているかもしれません。早めに動物病院で相談し、適切なケアを始めることが大切です。

また、爪とぎをしなくなることで、痛みのある足の爪が太くなってきたり、伸びた爪が肉球に食い込みやすくなったりすることもあります。こうした変化に気づくことが、症状のサインになる場合もありますので、日常のケアの際にはよく観察してみてください。

診断方法

関節炎の診断では、まず飼い主様から愛犬や愛猫の日常の様子を詳しく聞くことが重要です。特に、「いつからどのような変化があったか」「食欲や元気はどうか」「段差を避けるようになったか」といった情報が診断の大きな手がかりになります。

そして、これらの情報をもとに、以下のような検査を行います。

身体検査

触診により関節の腫れや痛みを確認します。関節の可動域(動かせる範囲)を慎重にチェックし、どの関節に負担がかかっているかを評価します。また、院内や玄関など少し広い場所で歩かせてみて、実際の歩き方に違和感がないかも確認します。

画像診断

X線検査(レントゲン)を行い、関節の変形や骨の異常がないかを確認します。関節の炎症が進行している場合、関節周囲の骨が変形していることがあります。

その他の検査

必要に応じて血液検査関節液の検査を行い、他の病気との鑑別をします。特に、腫瘍や感染症が疑われる場合には追加の検査が必要です。

治療法

関節炎の治療では、「痛みの緩和」「関節の機能維持」「進行の抑制」が重要なポイントとなります。適切な治療を行うことで、愛犬や愛猫のQOL(生活の質)を向上させることができます。

なお、痛みのある手足はかばうようになり、体重をかけなくなるため、筋肉がだんだんと落ちてしまいます。筋肉量が減ると、関節への負担が増えて、関節炎がさらに進行してしまうこともあります。痛みをしっかり和らげて、無理のない範囲で運動ができるようにサポートしてあげることが大切です。

内科治療

関節の痛みを和らげるために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)カルトロフェン(ポリ硫酸ペントサンナトリウム:骨関節炎症状改善・疾患修飾性治療薬)といった薬を使用します。

特にカルトロフェンは、関節の炎症を抑えるだけでなく、軟骨の修復を促す効果も期待できます。関節炎が悪化していく仕組みに直接アプローチできるため、根本的な治療が目指せるお薬です。当院でも、その効果を期待して積極的に使用しています。

また、グルコサミンやコンドロイチンなどの関節の健康をサポートする成分を含むサプリメントを取り入れることも、関節機能の維持に役立ちます。

さらに、アンチノールに代表されるような抗炎症作用を持つサプリメントを継続的に使用することで、運動を控えてしまうことによる筋力の低下を防ぎ、関節の動きをサポートすることにもつながります。

レーザー治療

レーザー治療は、炎症の軽減や血流の改善に役立つとされ、慢性的な関節炎の管理に用いられることがあります。痛みを和らげるだけでなく、リハビリの一環としても活用されます。

リハビリテーション

軽いストレッチやマッサージ、運動療法を取り入れることで、関節の動きをスムーズに保ち、痛みの軽減につなげることができます。

日常生活で気をつけたいポイント

体重管理を行う

関節炎の予防や進行を抑えるためには、適正体重を維持することがとても重要です。
体重が増えると関節への負担が大きくなり、炎症が悪化したり、痛みが増したりする原因になります。

特に室内で過ごすことが多い猫や運動量が少ない犬は、知らないうちに体重が増えてしまいがちです。定期的に体重をチェックしながら、適切な食事管理を心がけましょう。

適度な運動を取り入れる

運動不足になると関節まわりの筋力が低下し、関節への負担が増えてしまいます。しかし、過度な運動は逆に関節を痛める原因になるため、無理のない範囲で適度に体を動かすことが大切です。

犬の場合は、長時間の散歩よりも短時間の散歩を1日に何回かに分けると、関節への負担を軽減できます。一方、猫の場合は、動くおもちゃで遊んだり、適度な高さのキャットタワーを設置したりすることで、自然な運動を促せます。

痛みはお薬やサプリメントなどでしっかりコントロールし、無理のない範囲で体を動かすことで、筋力の低下を防ぐことが大切です。

生活環境を工夫する

関節に負担をかけないためには、日常の環境を整えることも大切です。

犬の場合は、滑りやすいフローリングにはマットを敷くと、関節への負担を軽減できます。また、階段やソファの上り下りをできるだけ控えるようにするのも有効です。

猫の場合は、高い場所へ飛び乗る機会を減らすためにステップを設置したり、寝床を低い位置に移動させたりする工夫をすると、関節の負担を和らげることができます。

定期的な健康診断を受ける

関節炎は進行性の疾患のため、できるだけ早く異変に気づくことが重要です。定期的に健康診断を受けることで、軽度の段階から適切な治療やケアを始めることができます。
特にシニア期に入ると関節の老化が進みやすくなるため、半年に一度の健康診断をおすすめします。

まとめ

関節炎は気づかないうちに進行し、痛みや動きづらさを引き起こすことがあります。しかし、早期に発見し、適切な管理を行うことで愛犬や愛猫が快適に過ごせるようにサポートすることができます。

日常生活の中で歩き方や動きに違和感がないか注意し、少しでも様子がいつもと違うと感じたら、早めに動物病院に相談しましょう。また、定期的な健康診断を受けることで、関節の変化にいち早く気づき、適切な治療やケアを始めることができます。
関節の健康を守るために、普段のケアを大切にしながら、定期的な診察を習慣にしましょう。

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