2023年12月
犬や猫は暖かそうな被毛で覆われていますが、被毛の長さやタイプ(シングルコートかダブルコート等)、品種、年齢、持病の有無などにより耐寒性は異なります。
被毛が短くシングルコートの犬猫は、被毛の厚いダブルコートの犬猫に比べると寒さに弱い傾向がみられます。また、足の短い品種では、温度の低い床や地表に腹部が近くなるため、体が冷えやすいと考えられています。
原産国が暖かい国か、寒い国かによっても体質(皮膚や被毛)や感じる寒さには個体差があります。
ここでは、犬や猫との暮らしの中で冬に注意すべき点や寒さ対策についてご紹介します。
犬や猫の正常な体温は38度前後から39度前後ですが、37度以下になると各臓器の機能が低下し、体に様々な悪影響を及ぼすことがあります。
特に、体温の調節機能が低い子犬や子猫、高齢犬・猫、また、糖尿病や心臓病などの病気にかかっている場合も注意が必要です。
犬や猫は寒くなると暖房のすぐ近くで過ごすことが多くなるため、皮膚の乾燥や低温やけどになってしまうことがあります。
また、猫はストーブの上に飛び乗り足にやけどしてしまうことがあるため注意が必要です。
道路に散布される凍結剤による皮膚や肉球のトラブルや中毒、車のエンジン内に猫が入り込んでしまうトラブル、雪の多い地域は雪道のお散歩で毛が濡れてしまい体温が低下するなど、冬場の注意点は様々です。
短毛でシングルコートの犬や、足の短い犬種、高齢や体温調節の難しい病気にかかっている犬は、ウェアで保温するのもよいでしょう。
暖かい部屋から急に寒い外に出ると、室内外の急激な気温差で愛犬の体に負担がかかることもあります。気温差から守るためにウェアで保温したり、廊下や玄関等で少し寒さに慣らしたりしてから外出するのもよいでしょう。
猫は、ウェアを嫌がることが多く、ストレスや誤食の原因になることもあるため、各猫の性格に合わせて検討しましょう。
床暖房以外のお家では床近くの気温は低いため、寝床を少し高い位置に設置したり、寝床に暖かい毛布を追加したり、ベッドの下に蓄熱材を敷くのも効果的です。
また、縁が高くなっているタイプのベッドは暖かさをキープしてくれますし、フラットタイプのベッドでは、丸めた毛布をドーナツ型にしてベッドを囲むようにすると暖かさをキープできます。普段好んで使うベッドやケージを、日中は室内の日当たりの良い場所へ移動させる工夫もよいかもしれません。
犬の最適な室内温度は18〜22℃度程度、猫では20〜28度程度です。気温や犬猫の年齢・体調に合わせてヒートマットなどをプラスするとよいでしょう。ヒートマットを使用する際には、コードをかじられないように注意しましょう。また、低温火傷にも注意が必要です。ケージ内全体を温めるのではなく一部が温まるようにし、犬や猫がヒートマットから離れて、自分で体温調整できるようにするとよいです。
寒い時期は空気も乾燥し呼吸器疾患のトラブルも多いので、温度だけでは無く、湿度にも気をつけましょう。
夏は暑さ対策で散歩の時間に気をつかうことがありますが、どうしても冬は疎かになりがちです。夏は道路のコンクリートが熱くなる前に散歩に行かれると思いますが、冬は逆に、日が昇り、コンクリートや外気温が温まってから散歩に出かけるのもよいでしょう。
お外で暮らす犬には、犬小屋を日当たりの良い場所に変えて、犬小屋内に蓄熱材や毛布を敷いて小屋内を暖かくします。
地域、環境、病歴など、各犬・猫に適切な寒さ対策が大切です。ご不明な点がある場合には動物病院までお気軽にご相談ください。
神奈川県相模原市を中心に大切なご家族の診療を行う
かやま動物病院