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首輪と胴輪(ハーネス)どっちがいいの?|それぞれのメリット・デメリット

2024年08月

首輪と胴輪

皆さんは、愛犬の散歩に首輪と胴輪(ハーネス)のどちらを使っていますか?

当院でも飼い主様から「どっちを使ったらよいですか?」とよくご質問をいただきます。

一概にどちらがよいとは言えませんが、使用する目的や犬種、犬の性格、体格、健康状態によっては、どちらか一方をおすすめすることもあります。

今回は、首輪と胴輪(ハーネス)について、それぞれのメリットとデメリット解説していきます。

首輪や胴輪(ハーネス)を付ける理由

首輪や胴輪は、リードにつないで使うことで犬の行動範囲を制限し、犬自身と周りの人間の安全を確保する効果があります。

例えば、怖がりの犬では、大きな音や車、人に反応して急に走り出そうとすることがありますが、首輪や胴輪とリードがあることで、飼い主様から離れることはありません。

また、他の動物や人に対して攻撃的になってしまう犬であっても、飼い主様が動きを制御することができます。

さらに、リードを通じて飼い主様とコミュニケーションをとることもできます。このように、愛犬や周りの人や動物の安全面としつけにおいて、首輪や胴輪は大切な役割を担っています。

 

首輪のメリット・デメリット

メリット

首輪は胴輪よりも体に触れる面積が小さいため、リードを引いた時の刺激が犬に伝わりやすく、しつけに適しています

また、首輪はつけっぱなしにできるため、リードの付け外しが簡単です。さらに、狂犬病予防接種済票や迷子札を装着することで、迷子や脱走時の備えにもなります。

サイズやデザインも豊富に揃っているのが特徴です。

デメリット

首に強い刺激が与えられるため、頚椎や気管に負担がかかります。

特に、心臓病や気管支炎、気管虚脱、環軸亜脱臼、頚椎ヘルニアなどのある犬には使用しない方がよいでしょう。

首輪がキツすぎて擦れてしまい、首回りの脱毛や皮膚炎を起こす可能性もあります。また、首に対して頭が小さい犬や、太っていて首が太い犬は首輪が抜けやすいので注意が必要です。

切なサイズは首回りからプラス1〜2cm程度、目安として首と首輪の間に指2~3本分入る隙間があるとよいでしょう。そして必ず引っ張ってみて首輪が抜けないかチェックすることも大事です。

胴輪のメリット・デメリット

メリット

胴輪は体に当たる面積が大きいため、頚椎や気管などに負担が少ないのがメリットです。

また、一般的に首輪よりも抜けにくいとされています。

デメリット

首輪よりもリードを引っ張った際の刺激が少ないため、引っ張りの矯正やしつけには向いていません。逆に散歩の時に引っ張る癖をつけてしまうことがあります。また拾い食いを止めにくいこともあります。

また、後ずさりをする癖がある犬では抜けやすいというデメリットがあります。特にダックスフンドやウェルシュコーギーなど、胴が地面に近い犬種では抜けやすいと言われています。胴輪がキツすぎて擦れてしまい、脇の下の脱毛や皮膚炎を起こす可能性もあります。

首輪と胴輪(ハーネス)、結局どっちがいいのか?

どちらもメリットとデメリットがあるため、シーンや目的、犬種、年齢、体型、健康状態などに合わせて使い分けるとよいでしょう。また普段は首輪を使用し、散歩の際にはそれにプラスして胴輪を装着させる、といった組み合わせで上手く使い分けるのも方法です。

首輪がおすすめの場合

引っ張りの矯正やしつけ(ドックトレーニング)の際には、指示が伝わりやすい首輪が適しています。

また、胴輪が抜けやすい場合は首輪を使用するのがよいでしょう。また散歩中にどうしても落ちている物に興味を示す場合や、拾い食いの癖がある場合も、誤食防止のために首輪の方が効果的です。

胴輪がおすすめの場合

首への負担を考えると、老犬、気管など呼吸器系、頚椎・胸椎にトラブルを抱えている犬には、首輪よりも胴輪の方がよいでしょう。

特にパグやフレンチブルドッグ、ボストンテリアなど鼻が低い短頭種は、気道や頚椎に問題が起こりやすいので、胴輪をおすすめします。また、首輪が抜けやすい体型の犬には、胴輪の方が抜けにくく安全です。

リードの選び方

リードを選ぶ際には、犬の安全と快適さを第一に考え、以下のポイントに注意しましょう。

犬の体格に適したサイズと重さを選ぶ

「太い方がカッコイイ」「細い方が持ちやすい」などの理由で選ぶと、重すぎて犬に負担がかかったり、力に負けてリードが切れてしまったりすることがあります。

目安として、小型犬には幅約1cm程度、中・大型犬には幅2~3cm程度の太さが基本です。

また、ナスカン(首輪と接続する金具)の重さも重要です。大きいものほど重く、首に負担がかかりやすく、顔にぶつかることもありますので、犬のサイズに適した金具を選ぶことが大切です。

柔軟性

散歩中に犬が急に走り出した場合、リードに柔軟性がないと強い衝撃が犬にかかります。一方、柔軟性のあるリードは衝撃を吸収しやすいですが、伸びすぎると犬を制御するのが難しくなります。30cm以上伸びるリードは避けるようにしましょう。

長さ

リードが長いほど犬の行動範囲が広がりますが、その分コントロールもしにくくなります。リードが長すぎると、急に他の犬や自動車が現れた際に即座に制御できないことがあります。普段の散歩には1〜1.5m程度の長さが適しています。

伸縮タイプはロックして使用する

伸縮タイプのリードは長さを調節できるというメリットがありますが、その分コントロールが難しくなります。基本的には常にロックした状態で使用しましょう。リードを伸ばしたまま散歩すると、他の犬や人とトラブルになる恐れがあります。

まとめ

首輪と胴輪についてそれぞれのメリットとデメリット、どちらを使うのがよいのかをお話ししました。

どちらも、愛犬と人間の双方が安全に散歩をするために欠かせないアイテムですが、サイズが合わないものを使うと抜けてしまい思わぬ事故が起こりかねません。新しいアイテムを購入したら、外で使う前に家の中でサイズをしっかり調整し、犬が苦しくないか、抜けないか確認しましょう。

リードを選ぶ際には、犬の大きさ、体型、年齢、性格、犬種、既往症、そして散歩する飼い主様の状況など、さまざまな条件を考慮し、その子に合ったものを選ぶようにしましょう。

また、強く引っ張ったり、脱走しようとしたりする犬に対しては、胴輪と首輪の両方を付けるダブルリードもおすすめです。しっかり準備をして、安全な散歩を楽しみましょう。

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